シンポジウムのお知らせ

2010年1月8日から10日まで、名古屋大学でシンポジウム「反乱する若者たち――1960年代以降の運動・文化」が行われます。初日のシンポジウム「<反抗者>たちとその系譜──Singularité et Universalité」でディスカッサントを務めることになりました。シ…

研究会のお知らせ

12月19日に研究会「第6回 熊本大学大学院フィールドリサーチセミナー」が行われます。文化人類学者を中心に、倫理学者や生態人類学者が集まり、「自然と文化のインターフェイス」という共通テーマで研究報告されるのですが、なりゆきでこの研究会の司会…

街並みの美について:倉敷の場合

土曜日、岡山県立大学で行われた日仏社会学会のシンポジウム「パースペクティヴとしての―暴力・労働・贈与」で報告をしてきました(「フランス都市暴動における暴力の諸相」http://wwwsoc.nii.ac.jp/sjfs/gakkai.htm)。 テーマ限定の小規模な学会というのは…

ピエ・ノワール論出版されました

二年以上前に書いたピエ・ノワールについての原稿がようやく出版されました。 「ピエ・ノワールとは誰か?−フランスの植民地引揚者のアイデンティティ形成」(蘭信三編著『中国残留日本人という経験−「満州」と日本を問い続けて』勉誠出版)http://www.bense…

壱岐探訪

先日、同僚のシンジルトさんが担当する調査実習に乗っかり、壱岐を訪れました。調査に汗水流す学生たちを尻目に、この歴史と自然の詰まった小さな島を数日かけて堪能しました。 まず特筆すべきは牧崎の「鬼の足跡」。半島の先端に海水の浸食によって空洞がで…

ブルカ問題part.2

前回のエントリーで書いたブログ問題にかんして、その後フランスではいくつかの動きがありました。まずはサルコジ大統領。6月22日の議会でブルカは「宗教のシンボルではなく、女性の服従のシンボル」であり、ブルカはフランスでは「歓迎されない」と、全…

スカーフ問題からブルカ問題へ?

ルモンドやフランス2などの各種メディアによれば、最近フランスでスカーフ問題が再燃しかけているようです。スカーフ問題といえば、1989年に問題が発生して以来、えんえん議論がなされ――その詳細については日本でもさかんに紹介されました――、2004年に…

『父親たちの星条旗』/『硫黄島からの手紙』

戦争という出来事を理解するのは難しい。当事者であれば一方的な見方になってしまいがちだし、それを避けようとすればかかわらないほうが無難だということになりやすい。戦争という出来事を、一方的・一面的な見方に陥らず、複眼的・多面的に見ることは、言…

原爆の記憶を妨げる音

先日、長崎に行く機会があり、原爆資料館を訪れました。入口から入ると丸い吹き抜けの空間があって天井から太陽がさんさんと降り注ぎ、壁つたいにつけられた螺旋状のスロープをつたって降りてゆく構造がニューヨークのグッゲンハイム美術館にそっくりだなど…

研究室の引越し

昨日は社会学第一・第二研究室の引越し準備がありました。文法棟の改修工事にともなって、社会学研究室も4月から半年間、別の建物に移動しなければならないので、学生たちと一緒に朝から作業をしました。 長年その存在に気づかれることのないまま置かれてき…

失われた沖縄の記憶

先週の金曜日から、研究会参加のため琉球大学に来ました。沖縄に来たのは高校の修学旅行のときが最初で、その後、大学院生時代に二度(そのときはほとんど西表島だったけど)来たから、今回は四度目。せっかく十年ぶりくらいで来たのに、月末の別の発表の準…

京都国際マンガミュージアム

フランスで知り合った友人のL・Rが、とある創作プロジェクトのために京都に行きたい、ついては君は以前京都にマンガミュージアムとマンガ学科のある大学があると言っていたけど、誰か紹介してくれないか、と話を持ちかけられたとき、まあ紹介するくらいな…

久しぶりに

ホームページを更新しました。帰国して以来、なかなか更新の余裕もなかったのですが、ようやく仕事以外のことをする時間が少し取れたので、最近の仕事を追加し、その他いくつか変更しました。

パリ最後の夜

16ヶ月のパリ滞在も今日が最後の日。あと数時間後にはユーロスターでロンドンへ。荷物をすべて引き払い、いくつかの家具しかない部屋にいると、ある種の喪失感が湧きあがってきて、16ヶ月という限られた時間ながら、すでに自分がこの場所に根を張ってい…

「ムッシュ・モリモト」

先週のカンヌ映画祭の「監督週間」に「ムッシュ・モリモト」Monsieur Morimotoなる日本人主演の映画が出品されましたが、一昨日、「監督週間」上映作品の上映会があり、この作品を観ることができました。 定年退職後、家族を残して単身渡仏したモリモトなる…

サミール・ゲスミ「今日は日曜日!」

前々回のブログでアラブ映画について書いたところですが、今回もあらためて。 サン・ドニの映画館L'écranで、10日から13日まで4日間にわたり、マグレブ映画祭`Panorama des cinémas du Maghreb`がありました。館内の二つの上映室で違う映画が同時に上映…

最小限の暴力:聖火リレー騒動について

ここ二、三日、パリは時折急激に寒くなり、雪がかすかに舞うくらいだったのですが、昨日の聖火リレーはかなり熱くなりました。 昼の12:30にエッフェル塔から出発し、シャイヨ宮、凱旋門、シャンゼリゼ通り、コンコルド広場、ルーヴル美術館、パリ市役所…

ナディン・ラバキ『キャラメル』

3月8日は国際女性の日。それにあわせて、フランスでもさまざまな催しがありました。アラブ世界研究所Institute du monde arabeでは、5日から9日まで、アラブ諸国出身の女性監督の作品を毎日2本ずつ、計10本上映するイベントがありました。上映作品は以…

アヤーン・ヒルシ・アリのこと

昨日は高等師範学校(エコール・ノルマル・スペリウール)にアヤーン・ヒルシ・アリが来るというので足を運んだのですが、20時の開始時間前に着いたにもかかわらず、すでに会場前の道路には長蛇の列。「待つのは結構ですが、もう会場には席はありませんよ…

カーラ・ブルーニとは誰か

サルコジ大統領に新しい恋人ができたというニュースを最初に知ったのは、日本の某サイトのニュース欄でした。フランスにいながら、フランスのニュースを日本経由で知るというのも、なかなかグローバル化の時代らしい情報伝達の仕方だと思いつつ、元スーパー…

「恭賀新年」

今日は国会図書館の帰りに道端で偶然知りあいとすれ違い、その知りあいの知りあい二人との夕食の場に飛び入りで参加させてもらうことになり、13区の中華街にあるベトナム料理屋で「フォー」(ベトナムのうどん)を食べました。面識もなく、突然の参加にも…

クリスマスは続く

日本では12月25日を過ぎると一挙に年末年始モードに切り替わるので、今頃クリスマスのことを話題をするのはすでに場違いな感じがするでしょうが、フランス(あるいはキリスト教圏全体?)ではそういうわけでもなく、クリスマス・シーズンは1月はじめ頃…

スタッド・ド・フランスがスタッド・ド・マロックになった夜

スタッド・ド・フランスといえば、サッカーファンなら誰もが知るとおり、フランス・サッカーの“聖地”であり、数々のドラマを生みだしてきた場所です。1998年のワールドカップでジダンを擁するフランス代表が優勝し、一躍このチームはフランス的多様性の統合…

ストふたたび:年金改革のゆくえ

一ヶ月ほど前、ストについて書きましたが、今日はふたたび国鉄やパリ交通公団のストがあり、電車、メトロ、バス、トラムが大方ストップしました。ストの背景は前回とまったく同じです。 昨日(11月13日)、「メトロ」という無料新聞に、この新聞が調査会社の…

地球を結ぶスカイプ

あるときある美術館を訪れたら、グローバル化をテーマにした企画展をやっていて、あるアーティストが色んな人に「あなたにとってグローバル化を象徴するものは?」と尋ね、聞かれた人が答えたものを写真に撮って並べるという趣旨の作品がありました。写真に…

フランスの年金改革と大学改革

今日はフランス名物のストがあり、地下鉄・トラム・バスなどが全て止まりました。ストをしたのは、公共交通機関の労働組合。現政権が目指している年金改革に反対するためです。 フランスでは一般の勤め人が年金を受け取るためには40年間働き、税金を納め続け…

移民史博物館

今日、Porte Doréeにある国立移民史博物館が開館しました。もともとこの場所は、1931年、パリで開かれた植民地博覧会のときに、Alfred Lapradeによってポルトドレ宮が建てられたところで、この建物は植民地博後、アフリカ・オセアニア美術国立博物館となって…

パリは自転車に乗って

7月にパリで公共自転車vélibが導入されたというニュースは日本でもすぐに報道されていたようですが、遅まきながら初めて乗りました。 vélibとはvélo(自転車)とlibre(自由な)の合成語。パリ市が自動車の交通量を減らし、大気汚染を緩和することを主な目…

ドランシーの生きられる廃墟

パリの中心部から北東に約10キロ、電車で10分ほどの郊外にドランシーという街があります。ここには第二次大戦中、ユダヤ人の強制収容所がありました。もともとここには「シテ・ド・ラ・ミュエット」と呼ばれる団地がありました。1931年に建設が開始され、193…

7月14日:革命記念祭

今日は革命記念祭。凱旋門からコンコルド広場までのシャンゼリゼ通りで軍事パレードが行われました。 昨日の前夜祭ではあまり観光客らしき人はいなかったのにたいし、今日は逆に観光客だらけで、昨日に輪をかけてすさまじい人でした。世界中の人々が、フラン…