2007-01-01から1年間の記事一覧

「恭賀新年」

今日は国会図書館の帰りに道端で偶然知りあいとすれ違い、その知りあいの知りあい二人との夕食の場に飛び入りで参加させてもらうことになり、13区の中華街にあるベトナム料理屋で「フォー」(ベトナムのうどん)を食べました。面識もなく、突然の参加にも…

クリスマスは続く

日本では12月25日を過ぎると一挙に年末年始モードに切り替わるので、今頃クリスマスのことを話題をするのはすでに場違いな感じがするでしょうが、フランス(あるいはキリスト教圏全体?)ではそういうわけでもなく、クリスマス・シーズンは1月はじめ頃…

スタッド・ド・フランスがスタッド・ド・マロックになった夜

スタッド・ド・フランスといえば、サッカーファンなら誰もが知るとおり、フランス・サッカーの“聖地”であり、数々のドラマを生みだしてきた場所です。1998年のワールドカップでジダンを擁するフランス代表が優勝し、一躍このチームはフランス的多様性の統合…

ストふたたび:年金改革のゆくえ

一ヶ月ほど前、ストについて書きましたが、今日はふたたび国鉄やパリ交通公団のストがあり、電車、メトロ、バス、トラムが大方ストップしました。ストの背景は前回とまったく同じです。 昨日(11月13日)、「メトロ」という無料新聞に、この新聞が調査会社の…

地球を結ぶスカイプ

あるときある美術館を訪れたら、グローバル化をテーマにした企画展をやっていて、あるアーティストが色んな人に「あなたにとってグローバル化を象徴するものは?」と尋ね、聞かれた人が答えたものを写真に撮って並べるという趣旨の作品がありました。写真に…

フランスの年金改革と大学改革

今日はフランス名物のストがあり、地下鉄・トラム・バスなどが全て止まりました。ストをしたのは、公共交通機関の労働組合。現政権が目指している年金改革に反対するためです。 フランスでは一般の勤め人が年金を受け取るためには40年間働き、税金を納め続け…

移民史博物館

今日、Porte Doréeにある国立移民史博物館が開館しました。もともとこの場所は、1931年、パリで開かれた植民地博覧会のときに、Alfred Lapradeによってポルトドレ宮が建てられたところで、この建物は植民地博後、アフリカ・オセアニア美術国立博物館となって…

パリは自転車に乗って

7月にパリで公共自転車vélibが導入されたというニュースは日本でもすぐに報道されていたようですが、遅まきながら初めて乗りました。 vélibとはvélo(自転車)とlibre(自由な)の合成語。パリ市が自動車の交通量を減らし、大気汚染を緩和することを主な目…

ドランシーの生きられる廃墟

パリの中心部から北東に約10キロ、電車で10分ほどの郊外にドランシーという街があります。ここには第二次大戦中、ユダヤ人の強制収容所がありました。もともとここには「シテ・ド・ラ・ミュエット」と呼ばれる団地がありました。1931年に建設が開始され、193…

7月14日:革命記念祭

今日は革命記念祭。凱旋門からコンコルド広場までのシャンゼリゼ通りで軍事パレードが行われました。 昨日の前夜祭ではあまり観光客らしき人はいなかったのにたいし、今日は逆に観光客だらけで、昨日に輪をかけてすさまじい人でした。世界中の人々が、フラン…

7月13日:革命前夜祭

明日7月14日はフランス革命記念日。今日13日は革命の象徴、バスティーユ広場で前夜祭がありました。何本もの道路が交差し、ふだんは多くの車が行き交うこの広場を車両全面通行禁止にし、一角にステージを設けて野外ライヴが行われました。たまにこういうライ…

『ペルセポリス』

今日は今年のカンヌ映画祭で審査員賞を受賞したアニメ映画『ペルセポリス』を観ました。これはイラン生まれのフランス在住の漫画家マルジャン・サトラピの自伝的マンガをアニメ化したものです。 1969年生まれの主人公マルジ(サトラビ氏と同じ)は、9歳でイ…

平田オリザ`Chants d’adieu`を観る

昨日は20区にあるパリ東劇場で平田オリザの`Chants d'adieu`を観ました。数日前には平田氏自身が来てどこかでティーチ=インをしたらしいですが、それは別の用事があって行けませんでした。 `Chants d'adieu`とは「別れの歌」という意味で、物語は、フランス…

サルコジ大統領の誕生

フランスの大統領選挙が終わり、ニコラ・サルコジが第五共和制の第六代大統領になることが決定しました。 ド・ゴール以来、外交においてはアメリカから距離をとった自主独立外交、内政においては平等の理念の下、経済への積極的な介入を行うのがフランス保守…

大統領選挙(第一次投票)

大統領選挙の第一次投票が終りました。 投票率は70パーセントを超え、前回を大幅に上回ったようです。23時現在の開票速報では、サルコジ30、8%、ロワイヤル25、2%、バイルー19%、ルペン10,8%。 今回は、右のサルコジ(民衆運動連合)が新…

モントルイユとクリニャンクールの蚤の市

昨日はモントルイユの蚤の市、今日はクリニャンクールの蚤の市に行ってきました。ちなみにモントルイユはパリの東の郊外、クリニャンクールは北の郊外、先週書いたヴァンヴは南の郊外にあります。 モントルイユの蚤の市は、かなり広い空間に多くの数の店が並…

ヴァンヴ蚤の市

パリに来て一週間が経ちました。これから一年間の、フランスでの新生活の始まりです。 今までフランスには2〜3週間の短期滞在をしたことが4度あり、そのうち2度はパリにいたので、未知の世界に飛び込むというわけではありませんでした。そのせいもあって…

卒業式の翌日

卒業式・謝恩会という一種の躁状態と鬱状態とが複雑に入り混じった非日常の時間から一夜明けて、今日の大学はかなり閑散としています。新しい月になり、新しい年度が始まるまでの数日間、大学にはある種の虚脱感と喪失感が漂います。いろんな物事が終わって…

Le fer à cheval @九州日仏学院

ヴィジュアル・アーティストの津田睦美さんの展覧会「Le fer à cheval 」が九州日仏学院で開かれます(4月7日〜5月7日)。 この展覧会では、ニューカレドニアの日系移民の歴史からインスパイアされてた津田さんが制作したヴィジュアルアート(写真やヴィ…

ワークショップの報告書できました

去年の11月にボルドー第三大学と熊本大学とで行なったワークショップの報告書が完成しました。 今回の報告書のコンセプトは「脱報告書」。大学では報告書というものが毎年大量につくられますが、その9割9分は文房具店で売ってるような簡易製本用のザラザ…

世界のCMフェスティバル

今日は国際交流会館へ「世界のCMフェスティバル」に行ってきました。 これは世界中の面白いCMを集めたイベントで、フランスに始まり、今では日本でも全国17箇所で開催されています。日本での仕掛け人は福岡在住のフランス人、ジャン・クリスチャン・ブ…

新市街のシネフィル

今日は友人のMさんに連れられて新市街にある喫茶店Fに行ってきました。ここのマスター、Sさんは映画史の生き字引のような人で、熊本の映画通のあいだではけっこう有名な人らしいのですが、寡聞にして存じ上げませんでした。 しかし!じっさいお話してみると…

卒業旅行@霧島・桜島

昨日、今日と卒業旅行で霧島、桜島に行ってきました。実は去年が霧島、一昨年が指宿と、三年連続で卒業旅行先が鹿児島だったので、個人的には別のところがいいなと思ってたんですが、学生たちの意向に押し切られ、今年も鹿児島となりました。2月という時期…

卒論発表会

今日は卒論発表会がありました。 全部で20人弱、朝10:00から夕方18:00まで、昼休みと何度かの短い休憩を挟みながらひたすら発表が続いたので、さすがに最後の方は疲れました。でもいちおう無事終わって何よりです。四年生にとっては卒業前の最後の…

ロッソ熊本vs横浜FCでカズを観た

今日はKKウィングでロッソ熊本vs横浜FCの試合を観戦しました。今季からJ1に上がる横浜FCは、元横浜マリノスの久保や奥が加入してけっこう戦力アップしていますが、ロッソもけっして一方的に攻め込まれるような展開ではありませんでした。双方1点ずつ…

ブログ名変えました

あるとき、前のブログ名で検索してみたら、同名のブログがやたら多いことを発見しました。もともと適当につけた名前で、いつか変ようと思っていたこともあり、この際、変更することにしました。 「カレイドスコープ」とは万華鏡のこと。社会には万華鏡のよう…

郊外暴動の傍らで:F・ゲンヌ『明日はきっとうまくいく』

ファイーザ・ゲンヌはアルジェリア系移民のフランス人女性で、2004年に19歳のときに『明日はきっとうまくいく』を書いて作家としてデビューしました。パリ郊外のセーヌ・サン・ドニ県の低家賃住宅団地で生まれ育ったというから、郊外暴動の震源地からそう遠…

M・カソヴィッツ『憎しみ』:郊外暴動論part.4

ここ数回、連続して郊外暴動について論じてきましたが、やはりこの問題を語るうえで、この映画を避けて通ることはできません。1995年に発表されたマチュー・カソヴィッツ『憎しみ』は、2005年10月の出来事を予見した作品として、暴動時にはしばしば言及され…