世界のCMフェスティバル

Yumat2007-02-24

今日は国際交流会館へ「世界のCMフェスティバル」に行ってきました。


これは世界中の面白いCMを集めたイベントで、フランスに始まり、今では日本でも全国17箇所で開催されています。日本での仕掛け人は福岡在住のフランス人、ジャン・クリスチャン・ブービエ氏。


このイベントを最初に知ったのは、今から四年ほど前、学生からCMフェスティバルで上映された作品を集めたビデオをもらったことがきっかけでした。そこではじめて見た世界のCMの面白さに目を奪われ、記憶にとどめていたところ、去年は熊本でも開催されることになり、さっそく行きました。


当日、会場で「今年上映される作品を集めたビデオかDVD売ってないですか?」と聞いたところ、残念ながら販売用は用意しておらず、抽選会の景品にDVDが一本あるので当たるといいですねという話をしてたんですが、よもや当たることなど期待していませんでした。ところが!日頃の行いが良いせいか、何と抽選でそのDVDが当たったんです、本当に。


こんなことがあったので、このイベントには親しみを持っていたので、今年はわずかながら宣伝にも協力し、わずかながら観客動員にも貢献しました。そのおかげ、というわけでもないでしょうが、去年よりは観客は多かったようです。


このフェスティバルで取りあげられるCMはヨーロッパのものが大半ですが、アフリカやアジアのCMもあり、こんな機会でもなければまず見れないような世界中のCMを見ることができます。ただ、不思議なことにあまりアメリカの作品はなかったように思います。権利関係で許可が下りないのでしょうか。


世界中の最良のCMが集められているのだから面白くないわけはありません。ただ、イギリスのCMなどにはブラックユーモアの作品も多く、これは日本ではきつすぎるかな、というのもありました。たとえば白い子犬を連れて散歩していた人が自分の車のフロントカバーに鳥のフンがついているのを見つけて眉間にしわを寄せ、いきなり子犬をむんずと掴んでそのフンをふき取り、車に乗って窓からその子犬を投げ捨てるというCM。これは某自動車メーカーのCMなんですが、これを日本の自動車メーカーがやれば、ほぼ間違いなくイメージダウンとなるでしょう。あるいは別のCMでは、森のベンチに佇む人の好さそうな男がチーズだったかお菓子だったかで小鳥や兎などの小動物を近くに呼び寄せ、その動物たちと戯れているのですが、次の場面ではその男が大なたをふりかざし、ミンチを切り刻んでいるという場面。これは何のCMだったか忘れましたが、これもイギリスの作品だったと思います。やはりこれも、日本ではあまり受けないんじゃないでしょうか。今回の作品のなかにはあまり無かったけど、ヨーロッパでは性的にかなりきわどいCMもよくあります。トヨタやホンダなど、日本の自動車メーカーのCMも、ヨーロッパで放映されているもののほうが凝っていて、断然面白いです。


こういうインパクトの強いCMが作られる理由としては、視聴者の志向の違いもあるでしょうが、CMの制作過程の違いにもあるようです。ブービエ氏の話によれば、ヨーロッパではクライエントの企業は名のあるCM会社に制作を依頼したら、後は制作会社に任せるのに対し、日本では制作会社がつくったCMをクライエント企業がチェックするので、企業の意向から自由にCM制作ができないということです。


ともあれ、このイベント、福岡ではオールナイトで行なわれていて、来年は熊本でもそうなるかもしれないとのことでした(今回は3時間)。九州から全国に発信するイベントとして、今後もさらに発展していってほしいものです。