2011-01-01から1年間の記事一覧

アルキ論

『アジア遊学』145号「帝国崩壊とひとの再移動」に、アルキにかんする短文「アルキとは誰か―フランスにおけるもう一つの『引揚者』問題」を執筆しました。帝国崩壊とひとの再移動 (アジア遊学 145)作者: 蘭信三出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2011/08/26…

3.11後に『危険社会』を読む

1986年に出版されたドイツの社会学者ウルリヒ・ベックの『危険社会』は、すでにリスク社会論や環境社会学の古典となっている。チェルノブイリ事故の直前、そしてフクシマ事故のはるか四半世紀前に書かれながら、破局的事態を引きおこす危険=リスクを構…

100,000年の孤独

マイケル・マドセン監督の映画『100,000年後の安全』をDenkikanで観た。これはフィンランドの首都ヘルシンキから北西へ240キロのオンカロという町にある、原子力発電所から出される放射性廃棄物の保管施設についてのドキュメンタリー映画だ。 核燃…

震災は続いている

地震の発生からほぼ2カ月後になるゴールデンウィークの期間中、宮城県を訪れた。地震直後はあらゆる交通網が遮断されていたが、かなり復旧しているようで、大きな困難もなく現地に入ることができた。 仙台空港は、仮設のカウンターや手荷物受取所でようやく…

炭鉱街と雪:釧路の一日

古びた建造物が繁茂する草木によって覆われたり囲まれている光景は、廃墟の独特の魅力の一つをなしています。古びた建造物は、かつてそこに人びとが存在したことの名残り。無造作に生い茂った草木は、その人びとがもはや存在しないことの証し。その両者が相…