「恭賀新年」

Yumat2007-12-31

今日は国会図書館の帰りに道端で偶然知りあいとすれ違い、その知りあいの知りあい二人との夕食の場に飛び入りで参加させてもらうことになり、13区の中華街にあるベトナム料理屋で「フォー」(ベトナムのうどん)を食べました。面識もなく、突然の参加にもかかわらず、知りあいの知りあいのお二人も気軽に受け入れてくださり、年越しフォーを四人で楽しく食べました。


この店の近くにはパリでも有名なスーパー「タン・フレール」(またの名を「陳氏百貨商場」)があります。この辺りにはアジア諸国の食材や食品を扱っていて、日本の食材や食品も豊富に揃えている店が何軒かありますが、タン・フレールはその一つ。大方のスーパーが閉まる日曜日も中華街のスーパーは開いているので、土曜日までに買い物できなかったときなどは大助かりです。


13区の中華街はベトナム戦争時に混乱を避けて渡仏したインドシナベトナムラオス・カンポジア)出身の華人が中心を占めています。とくにここの華人は中国の広東省潮州にルーツを持つ人が多く、タン・フレールの創業者の家族も、潮州の近くにある普寧にルーツがあります(ちなみにパリ市内のもう一つの中華街、20区のベルヴィルは浙江省温州の出身者が中心)。創業者のボウ・ラタナヴァン氏は1934年、タイで生まれ、ラオスで育ちますが、75年、社会的混乱を避けるべく、家族を連れて留学経験のあるフランスに移住しました。1981年のスーパー創設以来、売り上げはどんどん伸び、2003年現在、グループの総売り上げは1億4千万ユーロにまで達しました。


それにしても、ここに来るたびに、自分がパリにいるということを忘れそうになりますが、今日もまた、ふとそんな気にさせられました。タン・フレールの店の前にでかでかとネオンサインで「恭賀新年」の文字が書かれていて、しかもその横にはねずみまで描かれていたからです。



「恭賀新年」とねずみ


これを見るまで、来年の干支がねずみであることを忘れていました…。


それとは別の意味で驚いたのが、道路をまたいで「TANG FRERE」のネオンサインがかかっていたこと。店の前にネオンサインを飾ることは不思議ではないのですが、公道(厳密に言えば公道の上の空間)を一私企業が広告に使うことってできるんでしょうか?



まぁともかく、タン・フレールのおかげで、パリにいながらにして馴染み深い正月らしさを少しだけ感じることができた年末の一夜でした。