Le fer à cheval @九州日仏学院

Yumat2007-03-22

ヴィジュアル・アーティストの津田睦美さんの展覧会「Le fer à cheval 」が九州日仏学院で開かれます(4月7日〜5月7日)。


この展覧会では、ニューカレドニアの日系移民の歴史からインスパイアされてた津田さんが制作したヴィジュアルアート(写真やヴィデオ)の作品が展示されています。


ニューカレドニアと日本との関係といえば、19世紀末から第一次世界大戦ごろまではニッケル鉱山への日本からの移民があったのですが、第一次大戦ごろに移民が途絶えてからは、非常にかぎられたものとなりました。それが60年代に『天国に一番近い島』が出版されてベストセラーとなり、80年代にそれが映画化されてこれまた大ヒットしたことから、新たに「南の楽園」として日本人のなかで記憶され、人気観光地となった経緯については、以前のブログでも少し書いたとおりです。


今ではすっかり忘れ去られたニューカレドニア移民の話。それは移民が単身男性のみ認められたことから、移民たちが現地女性と結婚し、現地社会に言葉や文化の面で同化していったからでもあり、人の交流が長らくごくわずかしかなかなかったからでもあります。その点で、ハワイやブラジル・ペルーへの日本人移民とは違うわけです。


津田さんはここ数年、忘れ去られた日本人移民の歴史を掘り起こす活動を精力的に進めてこられました。そのおかげで、ニューカレドニアと日本とのあいだで、観光と貿易だけではない人と人との交流が、ふたたびできつつあります。その一連の活動が結晶化してできたのが、今回の展覧会の作品です。過去を取り戻すことは未来に開かれること。この展覧会は、そのことに気づかせてくれます。


九州日仏学院の関連サイト
http://ifj-kyushu.org/jp/event/index.html


津田睦美アートプロジェクト「FEU NOS PERES ニューカレドニア日系人」のサイト
http://www.feu-nos-peres.org/j_exhibition3.html