生涯学習のイメージ

  4月から、大学の生涯学習教育研究センター(長い名前…)の併任教員をやってます。昨日(月曜日)はその会議がありました。
  3月ころだったか、責任者の某先生から「やってもらえませんか?」と依頼されたときは、「何で自分が」と思いました、正直なところ。生涯学習って、もっぱら定年退職した人が受講するイメージがあって、ならばもっとシニアな先生のほうが良いだろうと。それをよりによって、文学部教員で二番目に若い自分(一番目はドイツ語のBさん。Bさんいつもスーツ着て眼鏡かけてるから落ち着いて見えるけど、実はまだ20代。たしかによく見ると顔、とくに皮膚には若々しさが感じられる)が何で生涯学習やねん、と。
  でも諸事情により引き受けざるを得なくなり、4月以降、何度か会議に出ました。会議は黒髪南キャンパスの大学事務局内にある貴賓室(!)で行なわれます。ふだん道路を隔てて向かい側にある北キャンパスにいながら、一度も行ったことがなかった(当然だよなぁ)ので、初回から見事に遅刻しました。
  何度か会議に出てみて、ちょっと自分の認識がまちがっていたことに気づきました。生涯学習教育研究センター(どう考えても長い…)の役割って、むしろ大学広報のようなことなんですね。大学で蓄積される知識を広く市民に還元することをつうじて大学をより良く知ってもらうためのさまざまな活動を組織・運営することが主な役割のようです。
  具体的な活動としては、以下のようなものがあります。


   大学公開講座・・・さまざまな学部のスタッフが行なう特別講義
   知のフロンティア講座・・・毎月一回、土曜日に開催される特別講義
   授業開放・・・各学部の通常の授業を市民に開放
   放送公開講座・・・さまざまな学部のスタッフが行なう特別講義をRKKテレビ
            と同ラジオで放送


このようにさまざまな活動があって、じっさい受講者も、高齢者の方が比較的多いとはいえ、それ以外のさまざまな世代の人も受講していただいているようです。でも残念ながら、広報活動が十分ではないため、まだ受講者数は十分とは言えない状況です。じっさい僕自身、大学に属していながら、センターの併任教員になるまではこんな企画があるなんてほとんど知りませんでした。今後、もっと効果的な広報を考えていかないといけません。

  でももしセンターがこういうところであるのなら、「生涯学習教育研究センター」という名称は、ちょっとミスリーディングなのではないでしょうか。たぶんかつての僕みたいなイメージを抱いている人は少なくないと思うし、知識の社会還元や大学広報を目的とするならば、「市民センター」「市民開放センター」「地域学習センター」などに変えたほうが良いようにも思います。広く社会に開かれた大学の窓口機関としてセンターを位置づけるという意味で。いつか機会があれば会議で言ってみよう。